【トランス脂肪酸:とらんすしぼうさん】
--英語:fatty acid〔s〕
■1 トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングなど加工油脂や、これらを原料として製造される食品のほか反芻動物の肉や脂肪中などに含まれる脂肪酸の一種です。脂肪酸とは、油脂などの構成成分で、大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
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このうち、炭素と炭素が2つの手で結びついた二重結合(不飽和)を少なくとも一つ以上有するものが不飽和脂肪酸と呼ばれ、炭素に結びつく水素の向きでトランス型とシス型の2種類に分かれます。
水素の結び付き方が互い違いになっている方をトランス脂肪酸といい、同じ向きになっている方をシス型といいます。(下図参照)
トランス脂肪酸の生成については、次の三つの過程が考えられています。
- 油を高温で加熱する過程において、シス型の不飽和脂肪酸から生成
- 植物油等の加工に際し水素添加の過程において、シス型の不飽和脂肪酸から生成
- 自然界において、牛など(反芻動物)の第一胃内でバクテリアにより生成(脂肪や肉などに少量含まれる)
トランス脂肪酸の作用としては、悪玉コレステロールといわれているLDLコレステロール(低比重リポたん白質:肝臓から体内の各部へコレステロールを運ぶ物質)を増加させ、善玉コレステロールといわれているHDLコレステロール(高比重リポたん白質:体内の各部から肝臓へコレステロールを運ぶ物質)を減少させる働きがあるといわれています。また、大量に摂取することで、動脈硬化などによる心臓疾患のリスクを高めるとの報告もあります。
※1ショートニングとは、植物油や魚油等を原料として製造され、マーガリンと比較すると、水分をほとんど含まないという違いがあります。19世紀に米国でラードの代用品として作り出されたもので、現在では様々な食品に利用されており、またサクサクとした食感等を出すため、菓子などに使われます。
※2トランス型とは水素原子が【炭素=炭素】の二重結合の反対側に位置する構造のことを指しています(図B)。同じ側にある場合の構造はシス型といいます(図A)。
■2 リスクに関する科学的知見
(1) 国内の食品に含まれるトランス脂肪酸の含有量
我が国における食品中のトランス脂肪酸量については、例えば平成5年(1993年)に
報告された試験結果によると、油菓子などでは、油脂中のトランス脂肪酸が15%以下のものがほとんどであり、米国の場合の20%以上よりかなり低い傾向を示したとのことです。この要因の一つとして、米国と日本における、菓子などに使用するマーガリンやショートニングに使われる原料油脂の配合の違いが考えられます。
一般的に、マーガリンやショートニングを製造する際に、硬化油を使用します。硬
化油は液体油に水素を添加して、液体の不飽和脂肪酸の一部を飽和脂肪酸に変化させ、固形化(硬化)させるとともに、酸化安定性を高めます。この水素添加の際、飽和脂肪酸のほかに、トランス脂肪酸も生成されます。
米国では、水素を添加した硬化油のみでマーガリンやショートニングを製造する一
方、わが国では、水素が添加されていない未硬化植物油に部分的に水素を添加した油脂を配合したり、マーガリンなどでは硬化油の配合を少なくして融点の低い油脂を製造するため、米国よりも硬化油の使用量が少ないので、トランス脂肪酸の含有量が少ないと考えられます。
(2) トランス脂肪酸の摂取量
トランス脂肪酸の一人当たりの摂取量は、米国では20歳以上の大人で、一日当た
り平均約5.8gとなっており、摂取エネルギーに占める割合は2.6%であると推計されています。
EUでは、1995〜1996年に14か国で行われた調査によると、一日当たり平均摂取量
は、男性で1.2〜6.7g、女性では1.7〜4.1gとなっており、それぞれ摂取エネルギー
の0.5〜2.1%(男性)、0.8〜1.9%(女性)に相当しています。なお、最近の調査では、EUの多くの国でトランス脂肪酸の摂取量が減少しています。
日本では、硬化油、乳、乳製品、肉、バター、精製植物油の摂取量を考慮して推
計したものによると、トランス脂肪酸の摂取量は一日当たり平均1.56gとなっており、摂取エネルギーの0.7%に相当するとみられています。
※ トランス脂肪酸の一人あたりの摂取量
1日あたり摂取量(g) 摂取エネルギーに占める割合(%)
日本(平均) 1.56 0.7
米国(成人平均) 5.8 2.6
EU(男性平均) 1.2〜6.7 0.5〜2.1
(女性平均) 1.7〜4.1 0.8〜1.9
(3) リスクの程度
欧州食品安全機関(EFSA)は、2004年8月に食品中のトランス脂肪酸のヒトへの健康影響についての栄養製品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA Panel)の意見書(2004年7月採択)を公表しました。これによれば、疫学研究の結果、トランス脂肪酸は飽和脂肪酸と同様に悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減少させることが示されています。また、悪玉コレステロールの増加と善玉コレステロールの減少が心臓疾患の発症と正の相関関係を示していることも示されています。
これらのことから、飽和脂肪酸と同じように、トランス脂肪酸の摂取と心臓疾患の
リスク増大には相関関係がある可能性があるとしています1)。
●諸外国での使用状況は……
- デンマークでは、2004年1月1日から国内のすべての食品について、油脂中のトランス脂肪酸の含有率を2%までとする制限が設けられています。
- 米国では、2006年1月から加工食品のトランス脂肪酸量の表示を義務付けることとしています。また、2004年8月に発表した米国人のための食事指針案では、トランス脂肪酸の摂取量は一日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告しています。
- カナダでは、一部の中小製造業を除いて、原則として2005年12月12日からの栄養成分の表示義務化の中でトランス脂肪酸も表示対象としています。
食事、栄養および慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合(Joint WHO/FAO Expert Consultation on Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases)の報告書では、心臓血管系の健康増進のため、食事からのトランス脂肪酸の摂取を極めて低く抑えるべきであり、実際にはトランス脂肪酸の摂取量は、最大でも一日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告しています。
……日本では?
我が国では、厚生労働省において平成11年(1999年)6月に示された「第6次改訂日本人の栄養所要量」において、「トランス脂肪酸は、脂肪の水素添加時に生成し、また反芻胃の微生物により合成され吸収されることから、反芻動物の肉や乳脂肪中にも存在する。トランス脂肪酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、善玉コレステロール濃度の低下など、動脈硬化症の危険性が増加すると報告されている。」とされています。
また、日本の油脂製造業においては、特殊な用途の油脂を除いて、一般的には、出来るだけトランス脂肪酸が生成されないように製造されています。特に、マーガリン類及びショートニングについては、未硬化植物油に軽度に硬化した油脂を配合して融点の低い油脂類が製造され、トランス脂肪酸の割合は米国産のものより低いとされています。
このように、諸外国と比較して日本人のトランス脂肪酸の摂取量が少ない食生活からみて、トランス脂肪酸の摂取による健康への影響は小さいと考えられている状況です。
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タグ:ダイエット
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加えて、仕事で留守にしていたため・・・対応
が遅くなってしまいましたコト、深くお詫び申
し上げますm(__)m
今日の夜、もしくは明日にでも“ゆっくり”と
お邪魔させていただきます(*^-゚)ノ~♪
今後とも健康には十分気お付けたいと思います。